今夜は波佐見史談会が主催する(ながさき県民大学共催)古文書講座を受講しました。講師は昨年から波佐見の教育委員会に古文書担当の学芸員としてお仕事をされている盛山氏です。
博物館などに行くと、達筆で書かれた昔の書状などが展示されていますが、何と書いてあるのかちっとも読めず、日本語で書かれてあるのに読めないなんて残念だとずっと思っていたので、受講料も無料のこの講座は願ってもないものでした。200年ほど前に使われていた文字ですが、独特のくずし方があるようで、一目見ただけでは文字とも思えないほど省略された記号のようなものもあり、専門家でも読めないこともあるそうで、くずし字辞典というものまで出版されていて、実際はこれを使って判読するということでした。また、元々日本語表記は中国の漢字からきており、漢文を日本語に読み下すためにはレ点、返り点などの記号を使って読む漢字の順をひっくり返したり、最後にくっつけて読んだりしなければなりませんが、古文書の文の中にはしばしばそういった箇所が見受けられますから注意が必要です。
講座の前半はそういった古文書を読むためのコツなどを中心に教えていただき、当時の言い回しやくずし字もいくつか例を挙げてくださいました。そして後半ではいよいよ本物の古文書をプリントしたものを判読していきました。使われたのは「太田家文書」。永尾郷にある古い屋敷には江戸時代の槍や鎧兜などとともに大量の古文書が保管されていて、それらを受け継いだ青年がそっくり町に寄贈し、ゆくゆくは2年ほど先に完成する町の歴史博物館で展示することになっているものです。その青年とはだいぶ前から知り合いでしたので、教育委員会が調査に入った時にも同行してその膨大なお宝を見せていただきました。どうやらこの家には当時「横目付け」という、藩の重役が住んでいたようで、古文書の内容も大村藩の家老からの、抜け荷や不法入国の取り締まりといった、なかなか重要な公文書のようでした。
まあ、正式な文書なのでくずし字は比較的少なく、素人の練習にはもってこいのようで、受講生の中にはかなりスラスラと読んでしまう人もあって、我々のような初心者は文字を追っていくだけで精一杯でしたが、時々読める文字があるとワクワクします。
講座は来月にもう1回あります。